第4章 revenge3
「八戒くん、私もダサいんだよ。」
何も出来ずに独りになって、自分で死のうとした。
変えると誓ったのに、何度も諦めた。
きっと、ダサくない人なんていないんだ。
「逃げてんのはオマエだけじゃねぇ。みんな弱ぇ、だから家族(なかま)がいる。」
三ツ谷さんが、八戒くんの目を真っ直ぐ見つめて言った。
そして私たちは、八戒くんを背に、敵と向かい合う。
「そんな嘘で、オマエを見捨てねぇ!!それが東卍だぁ!!!」
どんなことがあっても、仲間を守る・・・それは場地さんが教えてくれたことだ。
「あ"ぁあ"ああ!!」
突然八戒くんは雄叫びをあげ、黒龍の特攻服を脱ぎ捨てた。
「みんな下がってくれ。タカちゃん、千冬、タケミっち、星那ちゃん、オマエらボロボロじゃねぇか・・・・・・ありがとう、もう怖くねぇ。」
八戒くんは吹っ切れたような顔をし、大寿の前に立つ。
「二度と黒龍の特服は着ねぇ!!」
大寿は八戒くんを睨み、本当の家族はオレだろと怒鳴る。
もう大丈夫だよね、八戒くん。
「てめぇはずっと柴家を守ってきた長男に、逆らうのか!!?」
青筋を立てて八戒くんを怒鳴る大寿に、柚葉さんが止めようと声を荒らげる。
あいつは何を言ってんだ、守ってきたのは柚葉さんだろ。
その時、八戒くんが大寿を思いっきり殴った。
「東京卍會、弐番隊副隊長、柴八戒!!柚葉を!!仲間を!!家族を守る為にてめぇをぶっ飛ばす!!!」
っ!?
今、八戒くんは・・・ぶっ飛ばすと言った。
これで、未来が変わるかもしれない。
八戒くんが大寿に殴りかかる。
そして何故か、大寿が涙を浮かべた。
「私はっ、2人も家族を殺めなければならないのですかぁ!!?こんなにも愛しているのに!!?」
八戒くんの頬を殴り、床に頭を殴り付け、何度も殴る。
ありえない・・・狂ってる、バケモノだ。
愛している弟にすることじゃないだろ。
八戒くんが動かなくなり、大寿が、この教会は黒龍の精鋭100人が囲んでると言った。
千冬が外を確認し、本当だと言う。
そんなのどうでもいいよ、初めから逃げる気なんてないから。