第4章 revenge3
タケミチくんがなんでも話せよ、友達だろ?と言うと、八戒くんは涙を流して、膝から崩れた。
「タケミっち、オレを・・・助けてくれ。」
「任せろ、八戒。」
そしてタケミチくんは、また大寿の方を向き、睨む。
「八戒、オマエの守りたかったもの・・・柚葉はオレが守る!!」
私も守るしっ!
タケミチくんの横に立つ。
後ろで、違うんだ、オレの顔、アザ1つもねぇだろ?と八戒くんが静かに話し出した。
柚葉はボロボロなのにと・・・。
八戒くん・・・?
八戒くんはそのまま話を続けた。
柚葉を守りたかったけど、大寿に逆らう度胸がなかったと。
「逆だ・・・オレはずっと守られてきたんだ・・・あれ、嘘なんだ。」
どういうこと?
2人はずっと傷付けられてきたんじゃないの?
八戒くんは柚葉さんを守るんでしょ?
八戒くんが話してくれた、自分を守る為に柚葉さんは、2人分殴られていたことを・・・。
「オレを・・・家族をずっと守ってきたのは、柚葉なんだ。」
タケミチくんが守ってきたっていうのは全部、嘘なのか!?と問う。
そんなことを言ってたの・・・?
最低、ダサいと八戒くんに投げ掛けられる言葉。
やっぱり、強いのは柚葉さんだったんだ。
ココの女に守られてただけでもダセェのに、守ってきたなんて嘘、どの面下げて言えんだ?という言葉に柚葉さんが、関係ない、八戒は悪くないと怒鳴る。
そうだ、八戒くんは悪くない、悪いのは全部、大寿だ。
八戒くんが自分の弱さから逃げる為に、大寿を刺すしかなかったと泣く。
「八戒、オマエはダセェ!!」
でもオレはもっとダサかったと続けるタケミチくん。
三ツ谷さんもダセェと言って、立ち上がる。
「生まれた環境を憎むななんてかっこつけてあれだけどよ、オレも本当はすっげぇ憎んだ。」
1度、何もかも嫌になって、妹2人残して家出してさ、次の朝帰ったら、母ちゃんに思っきりぶん殴られた。その後、母ちゃん、オレのこと抱き締めて、いつもごめんねって泣いてた。
そう続ける三ツ谷さんが、何故ここまでするのか、わかった。
三ツ谷さんはお兄ちゃんなんだ・・・だから、八戒くんの為に・・・。
三ツ谷さんは八戒くんに近付いてしゃがんだ。