第4章 revenge3
タケミチくんが先にパンチを繰り出すが、大寿には当たらず、逆に大寿の拳を食らった。
その後も、頬、顎、顔面、腹と食らい、吹っ飛ばされた。
そして私も拳を繰り出し頬を狙うが、腹を殴られた。
めげずに拳を振り被るが、左頬と右頬と殴られ、最後は顔面に食らい、長イスに吹っ飛ばされる。
背中が痛い、苦しい・・・でもこんなもんじゃない、柚葉さんや八戒くんの苦しみは、こんなもの、比べ物にならない。
タケミチくんが立ち上がり、私もフラッと立ち上がる。
大寿が何発殴らせれば気が済むんだと荒く息をする。
タケミチくんは片目は潰れ、もう片目は半開きで、いろんなところから血を流し、負けねぇぞと呟く。
私も頬が熱を持ち痛いが、口から出た血を拭い、痛くないと呟いた。
柚葉さんと八戒くんの心はずっと、痛いと泣いていたんだ。
だから、私のこんな傷なんかその痛みに比べたら、全然なんだ。
「もういいよ、いい加減にしてくれよ!!」
八戒くんがそう叫ぶが、私たちは君を助ける為に頑張ってんだ、君にもう傷付いて欲しくないから・・・未来を変えたいから。
「もういい、タケミっち、星那。オマエらはよく頑張ったよ・・・オレらの負けだ。」
まだ、負けてないよ、千冬。
まだ立っていられるもん、生きてるもん。
タケミチくんが胸元に手を入れて、何かを取り出し握った。
何かを想うように目を瞑り、手を離した。
あれって・・・。
タケミチくんの胸にはヒナと同じ、四葉のクローバーのネックレスがあった。
私もマントの左胸を握る。
この特攻服に込められた想い・・・三ツ谷さんが作ってくれた、この特攻服・・・これは絶対に未来永劫、守っていく。
その為に、今ここで負けることは許されない。
目を瞑り、助けてくれと言った、現代の万次郎の姿を想い浮かべ、目を開けて、大寿を見据えた。
「大寿・・・オマエを倒して、黒龍をもらう!!」
「黒龍を変えてやる!」
今の黒龍がなければ、東卍の未来は変わる。
場地さんのように命懸けで、東卍を・・・仲間を守る。
拳を握り締めて、タケミチくんと一緒に駆け出した。