第4章 revenge3
全然、取れない。
いくら腕を動かしても、ビクともしない。
千冬もタケミチくんも三ツ谷さんも、やられてしまった。
私はまた、何も出来ないのか・・・。
イヌピーは私を殴らない・・・女だから?
オマエのボスは、私をあんなボロボロにしたのにな。
「松野千冬、てめぇとはピンピンしてる時に、やってみたかった。」
やだ・・・やだよ・・・もうみんなを傷付けないで・・・。
自分の無力さに、涙を流した。
「離してよぉ・・・みんなが・・・みんながっ・・・!!」
「っ!?・・・泣くな。」
手を掴む力が緩まった。
一気に身体を前に踏ん張って拘束を解き、千冬に駆け寄る。
うつ伏せに倒れている千冬の背中に、ぎゅっとしがみついた。
「大寿ぅぅ!!!!」
っ!?
八戒くんが刀を持ち、大寿に向かって行く。
止めなきゃ・・・殺させちゃダメだ。
横から腰に飛び付いた。
ゴッという音がして上を見ると、タケミチくんが八戒くんに頭突きをしていた。
八戒くんが邪魔すんなとタケミチくんから頭を離し、私の腕を引き離そうとする。
タケミチくんが刀の刃を掴み、こんなことしたら、どうしようもない奴になると、八戒くんを諭す。
「こんなんじゃねぇだろ!立ち向かうってことは・・・。」
肩で息をしながら、2人は睨み合った。
私は涙を流しながらやめてと呟き、八戒くんを抱き締める。
タケミチくんは立ち向かうっていうことがどういうことか、オマエに見せてやる!と言って、大寿の前に立ちはだかる。
「まだ、懲りねぇだと?それだけが取り柄なんだよ。」
まだ懲りねぇのかという大寿の言葉にタケミチくんがそう答えた。
抵抗しなくなった八戒くんに気付き、私も大寿へと向かう。
「オマエもかぁ?女が適うはずねぇだろ?」
「うっせぇんだよ。言ったでしょ?・・・万次郎の隣に立つには、強くなきゃいけないって!強いってことは、喧嘩の強さじゃねぇんだよ、敵わない相手にも大切なものの為に諦めずに立ち向かう・・・それが強いってことだろ!!?」
タケミチくんの隣に立ち、大寿を睨みつけた。
諦めない私たち相手に、適うと思ってんの?
何度殴られたって、立ち向かってやる。