第4章 revenge3
三ツ谷さんが大寿に殴りかかっていく。
ほぼ互角だ・・・けど、そいつは・・・強い。
千冬がタケミチくんに声をかけた。
どうやら、タケミチくんたちは、私たちに気付いてなかったようだ。
千冬が稀咲たちに裏切られて、三ツ谷さんに助けてもらったことを伝える。
タケミチくんの三ツ谷さんがどうしてここにいるのかという問いに、千冬はオレが呼んだと答えた。
えっ!?千冬が!?
知らなかった・・・。
「稀咲の裏をかかねぇとな。」
三ツ谷さんが結んだ和平だが・・・。
本人が破るんなら、みんな納得する。
その時、三ツ谷さんが膝をついた。
「どうした、三ツ谷ぁ?オレはまだ、70%の力しか出してねぇぞ?」
「あ?なに余裕ぶっこいてんだよ。ブーツのベルトが外れただけだ。」
そう言って立ち上がる。
八戒くんが必死に三ツ谷さんを止めようとするが、彼は大寿に向かっていった。
そして、右の拳で頬を殴られる。
私はあいつに勝てない、入っていったって、邪魔になるだけ。
「あんた、もっと利口だろ!?そんな無茶な喧嘩しねぇじゃん!!体格も年も上だし、勝てる要素ねぇじゃん!!」
違うよ、八戒くん・・・三ツ谷さんは今、そんなんで喧嘩してるんじゃないよ。
「オマエ、ちょっと黙れよ、八戒。」
千冬が八戒くんを止める。
「わかんねぇのかよ!?意地張ってんだよ、オマエが見てるから。三ツ谷くん、頭も良いし、計算も出来る。わかった上で体張ってんだよ!オマエの為に!」
きっと、三ツ谷さんにとって八戒くんは、弟みたいなものなんだろう。
八戒くんの前で兄貴でいる為に、戦ってる。
3人で三ツ谷さんは負けないと、言い切る。
三ツ谷さんと大寿が、肩で息をしている。
お互い、もう何度も拳を振ったはずだ。
その時、三ツ谷さんの後ろに鉄パイプを持った、顔に火傷を持つ男が現れた。
「三ツ谷さんっ!!」
頭を殴られ、倒れた。
「タカちゃぁああん!!」
八戒くんが三ツ谷さんに駆け寄った。
あの、クソ野郎・・・武器なんか使って・・・三ツ谷さんは絶対に死んじゃいけないんだよ。
三ツ谷さんは万次郎と約束したんだ、いなくならないって。
私が彼を守らなきゃ。
私も駆け寄り、2人の前に立って、腕を広げた。