第4章 revenge3
クリスマスの夜、5人で集まる。
今日の決戦の目的は、八戒くんが大寿を殺すのを止めて、黒龍を潰す。
成功すれば、今度こそ未来はよくなる。
千冬とタケミチくんが少し離れたところで話す。
私たち3人で2人を見守った。
千冬がタケミチくんの名前を叫び、頭を下げた。
「東京卍會、壱番隊副隊長、松野千冬!!」
千冬、なにを?
黙って次の言葉を待つ、タケミチくん。
「1991年、東京都渋谷区に生を受け、人を嫌い、人を傷付けてきた人生。それを変えたのは、場地圭介という漢だった。」
そして、タスキをスっと差し出した。
「まっすぐ走り続けた、最高の人だった。これは場地圭介のタスキだ、オマエに託す。」
っ!?
タケミチくんはタスキを受け取り、肩に回して着けた。
「バトンは受け取ったぞ、千冬。」
タケミチくんは、手を後ろで組み、胸を張る。
「東京卍會壱番隊隊長、花垣武道!!このタスキを背負い、今度はオレが走り続けることを、ここに誓う。」
2人は顔を見合うと、こちらに戻ってきた。
万次郎は頼れない。
ドラケンさんも三ツ谷さんも・・・東卍の誰も頼れない。
私たち5人だけの戦いだ。
特攻服のフードを被り、教会に向かう。
教会に着き、もう一度、作戦をみんなで確認する。
千冬が私たちと離れて、タケミチくんに何か言葉をかける。
未来の話だろうか。
タケミチくんが八戒くんを止める為に、1人で教会に入って行った。
「っ!?な、なにするの!?」
いきなり稀咲が後ろから押さえ付けてきた。
半間が千冬を殴る。
こいつら・・・初めからこうするつもりだったのか・・・!
教会の中に入り、千冬の口を塞いで半間が縛り始めた。
「んんっー!!」
稀咲が私の口を押さえている為、言葉を発せない。
千冬を縛り終えると、半間がこちらに近付いてきた。
「悪ぃな、オヒメサマ。」
千冬と同じように、私の口を塞ぎ腕を後ろ手にされて、縛られる。
キツく縛られると、千冬の隣に座らせられた。
「布越しにキスしてやろーかぁ?」
鼻で荒く息をして、半間を睨みつける。
「やめろ、半間。総長に殺されるぞ。」
「兄弟喧嘩の邪魔すんなよ。」
そう言って、2人はいなくなった。