第4章 revenge3
三ツ谷さんがインパルスに跨ったタイミングで、万次郎がバブを走らす。
三ツ谷さんは少し後ろをついてくる。
三ツ谷さんが寄ってきて、万次郎に話しかけた。
「・・・何か隠してやがるな、柚葉。」
黒龍との和平成立も簡単過ぎたと言った。
三ツ谷さんがマイキー?と呼びかけるが、彼は反応しない。
「ちょっと止めるぞ、三ツ谷。」
彼はバイクを止めて、広場の中に歩いていく。
三ツ谷さんがどうしたと彼に声をかける。
「半分になっちまったな。」
半分に・・・何が?
「創設メンバー。」
一度、顔だけを振り向かせ、また前を向く。
そうだ、今残ってるのは、万次郎、ドラケンさん、三ツ谷さんの3人だ。
パーさんと、一虎さんは捕まり、場地さんは命を落とした。
彼はまた、大切なものを失うんだろうか。
違う・・・そうさせない為に、私はここにいるんだ。
三ツ谷さんは少し驚き、彼の次の言葉を待った。
「オレさ、どこ目指してんのか、わかんなくなっちった。」
きっと万次郎は、彼らがいることで、夢に向かっていけるんだ。
彼の夢はみんなの夢だから・・・。
三ツ谷さんはただ彼の名前を呼んだ。
「黒龍なんてほっとけよ。三ツ谷、オマエはいなくなんなよ!?」
振り向いた彼の顔は笑っていたが、どこか寂しそうだった。
「あぁ、約束する。」
「オマエもだぞ、星那。」
っ!?
固い絆で結ばれた6人。
私は、その6人が夢に向かって突っ走れるように、道を開く。
「私はいつまでも、万次郎の隣にいるよ。場地さんと約束したから・・・貴方の道標になる。」
彼が私たちに寄ってきたので、私たちも寄った。
彼は私と三ツ谷さんを一緒に抱き締めた。
大丈夫、私が必ず貴方を救う。
貴方の大切なものは、全部私が守るから・・・。
万次郎と三ツ谷さんの背中に腕を回してぎゅっと抱き締めると、困っていた三ツ谷さんも私たちをぎゅっと抱き締めた。
「次は、ドラケンさんも一緒だね!」
私のその言葉に、2人とも嫌がった。
だって、ドラケンさんも創設メンバーじゃん。
男何人もで抱き合いたくねぇと2人揃えて言う。
3人、腕を離して、笑い合った。