第4章 revenge3
三ツ谷さんは私を見ないようにしてくれて、万次郎に話しかける。
「どんだけ星那ちゃんに、ムリさせたんだよ・・・。」
「ムリさせたかもしんねぇけどさ、すげぇ気持ちよかったみてぇだし、いいじゃん!」
なんでそんな、恥ずかしいことを言うの・・・。
三ツ谷さんは呆れたような顔をして、本題に入る。
「大寿と話してきた、これから柚葉んとこ行くから、一緒に行こうぜ。」
「八戒くんは!?東卍に残りますか?」
三ツ谷さんは一瞬、辛そうな表情を見せた。
どうして・・・。
「悪ぃな、星那ちゃん・・・八戒を渡す代わりに、柚葉を解放してもらった。」
悔しさに唇を噛んだ。
大寿は絶対に許さない。
特攻服を着る彼に私も行くと言ったら、断られたが、無理矢理連れて行ってもらうことにした。
三ツ谷さんが部屋を出たのを確認して、なかなか力が入らない身体を無理矢理起こして、特攻服を着る。
「やっぱムリだって・・・ちゃんと掴まれんの?」
「掴める。行くもん。」
下半身にちゃんと力が入らないが、腕は大丈夫だ。
三ツ谷のケツに乗ってこうと思ったのにと、呟く彼を無視した。
柚葉さんと八戒くんは、私を大寿から守ってくれた。
今度は私が守る番だ。
大寿から2人を解放して、黒龍を潰す。
彼に支えられながら、部屋を出た。
万次郎と三ツ谷さん、2人に手伝ってもらって、バブに乗る。
「あっ・・・っ!?」
「あ、わ、わりっ・・・。」
三ツ谷さんが私を支えようと腰を掴んだ時、声が出てしまった。
万次郎が少しキレてる。
いつもはあまりしない、ヘルメットを被らされる。
2人は首に掛けただけで、意味を成していない。
ぎゅっと、彼の腰に掴まると、走り出した。
2人は私の為か、いつもより安全運転だ。
2つのバイクは、街中を走り抜けていく。
途中でたい焼きを買って、柚葉さんのところに着いた。
柚葉さんと三ツ谷さんは、向き合って話をしている。
私と万次郎は、バブに座ったまま、その会話を聞いていた。
万次郎は、はむはむとたい焼きを食べている。
「私にもちょうだい。」
「やだ、これしかねぇもん。」
最近、ほとんど食べていないのを思い出して、お腹が空く。