第4章 revenge3
もしかして、好きなとこのやつじゃなかったのかな・・・。
彼が邪魔と言ってキレてる。
ドラケンさんにふざけてんのかって、怒られてる。
私も何かしないと・・・。
何をすればいいか考えてると、タケミチくんはポケットの中からメモ帳を取り出し確認すると、不安げに千冬を見た。
千冬は組んだ腕をそのままに、親指を立てて、グーというポーズを取った。
あの2人、なにしてんの?
もう案がないのか、タケミチくんが目をウルウルさせて考えてる。
私もやらなきゃ。
万次郎の前に来て見上げる。
結構高いな・・・。
鉄骨の山に手を掛けて登り、彼の前に落ちないように座る。
怖い・・・何も話したくない・・・でも、ハッピーエンドの為に、頑張らないと。
「八戒くんはスパイでもなんでもない、ただの東京卍會、弐番隊副隊長だよ!!」
話したくもないが、目を逸らさずに、真剣に見つめ続けた。
彼は眉頭を顰めて、私を睨む。
「オレのことはもうどうでもいいんだろ。口出すんじゃねぇ、オマエはもう東卍から出て行け。」
静かに怒っている。
「それとこれとは、話が別!!」
彼はより一層、威圧感を強めて私を睨み、私の肩を押した。
嘘・・・。
私は背中から落ちていった。
「八戒。」
彼が八戒くんの名前を呼ぶと、八戒くんが私を受け止めてくれる。
「あ、ありがとう・・・。」
震える声で、八戒くんにお礼を言った。
怖い・・・落ちたのが怖いんじゃなくて、彼が私を落としたことが。
もう私たちは戻れない。
お互いがお互いを拒絶した。
でも私は万次郎を拒絶してるんであって、マイキーを拒絶してるんじゃない。
万次郎は、私の全てを拒絶した。
「私は、東京卍會、総長側近!!マイキーさんの隣で私は、東卍を支える!!!・・・・・・私にそんな風にするってことは、何か知ってるの?」
「オマエはもう東卍じゃねぇ、オマエはオレを信じなかった・・・もういらねぇよ。」
何か知ってるってこと・・・?
信じなかったって、なに?
私の中に残る、壊れた貴方への気持ちが消えてくれない。
私はみんなを救いたい・・・その為には、彼をどうにかしなきゃいけない。
私はどうすれば、みんなを救える・・・?