第4章 revenge3
八戒くんは、弐番隊副隊長でしょ?
三ツ谷さんがいる東卍が好きなんでしょ?
東卍には君が必要だよ。
「なら、お望みどおり・・・殺してやるよっ!!」
今までより遥かに重い1発が、顔面にクリーンヒットした。
頭がボーッとして視界が歪み、ほとんど見えない。
「やめろ!!オレは黒龍に入る!・・・星那ちゃんが死ねば、東卍が終わっちまう・・・。」
ダメ・・・八戒くんは、東卍なの・・・。
暗闇が押し寄せて来てなんとか耐えようとするが、抗えず意識を手放した。
ユラユラと気持ちいい揺れに気付き、夢かと思い、その気持ちよさに身を委ねたが、八戒くんの私に訊ねるような声が聞こえ、現実だと理解した。
タケミチくんやヒナもいる。
八戒くんが私をおぶってくれている。
「ごめん、重いでしょ?」
「全然、大丈夫だ。」
なんだ、普通に話してくれるじゃない。
「ありがとな・・・みんなを庇ってくれて・・・あんなこと、言ってくれて・・・。」
「東卍には、八戒くんが必要だよ・・・。」
その言葉に、八戒くんは何も答えてくれなかった。
もう大丈夫だと言い下ろしてもらって、自分の足で歩く。
その後、八戒くんにお礼を言って帰ってもらい、ヒナを送り届けて、タケミチくんと話す。
「現代で、何があったの?」
タケミチくんの方では何があったのか・・・私は万次郎が指示をし、大切な人たちが殺されたことしか、わからない。
「万次郎が、大切な人たちを殺したのは知ってる。」
「千冬が目の前で、稀咲に頭を撃ち抜かれた。」
なにそれ・・・タケミチくんの目の前で・・・?
タケミチくんは、1番嫌な未来だったと、辛さに顔を歪ませた。
タケミチくんがヒナの殺害を命じ、みんなが殺されたと泣きながら教えてくれる。
どんなに辛かったか・・・。
「一虎くんがかつての東卍を取り戻す為に、動いてた。」
一虎さんが・・・場地さんの命は、ムダじゃなかったんだね・・・。
それだけで、少し救われた気がした。
「稀咲の暴力、元黒龍組の暴力を引き離さなきゃいけない。」
さっき会った、ココという男と顔に火傷がある男、そして八戒くんが元黒龍組だと、教えてくれた。