第4章 revenge3
タケミチくんは頬を思いっ切り殴られた。
大寿はまた拳を構える。
やばいと思い、大寿の腕に飛び付いて止める。
「あ"?なんだよ。」
「それ以上、タケミチくんを殴ったら、許さない。」
腕を掴みながら睨むと、気に入らないのか、吹っ飛ばされた。
それでも諦めず腕を掴み、睨む。
「タケミチくん、離れてっ!!」
彼は傷付けさせない・・・彼は私のヒーローを救ってくれるヒーローなんだ。
「暴力は嫌いだけど、大切な人を傷付けるんなら・・・容赦はしない!」
「ふんっ、所詮、女がなに言ってんだぁ!?」
「無敵のマイキーの隣に立つには、強くないといけないんだよっ!!」
腕を左手で押さえ、右手で顔を思いっ切り殴るが、大寿はビクともしなかった。
女にしては、やるじゃねぇかと行動とは合わない言動をすると、私の顔面を殴る。
アスファルトに尻もちをついて倒れると、頭がフラフラして視界が歪んだ。
隙を入れず、大寿は私に馬乗りになり、何度も顔を殴ってくる。
タケミチくんが私の名前を呼んで近寄ろうとするが、声を荒らげて止めた。
「星那ちゃんを守らなきゃ、オレがマイキーくんに殺される!!」
止めても彼はそう言って、大寿にしがみついた。
嫌なんだよ、大切な人が傷付くのは・・・。
タケミチくんを離れさせないと・・・。
フラつく頭で考える、どうすればタケミチくんが引いてくれるか。
「兄貴!!やめてくれ、お願いだ!」
八戒くん・・・大寿が怖いのに、必死に私たちを守ってくれるんだね。
大寿はしがみつくタケミチくんをものともせずに、私を殴り続けながら、交換条件が必要だ、見合うものを差し出せと言う。
こいつはバケモノだ。
その体躯を持ちながら、弱い者を守ろうとせず、暴力で支配する、私には考えられない人種だ。
東卍をやめる、八戒くんのその言葉に、大寿は拳をピタッと止めた。
「兄貴を支える為に、黒龍に入る。だから、星那ちゃんを離せ!交換条件だ!!」
大寿はその言葉で、タケミチくんを無理矢理離し、私の上から退く。
「ダメだ!!そんなことはさせない!・・・大寿、私を殺せ!!」
私は大切な人の為に、身体を張ってるんだ。