第4章 revenge3
男は目の前まで来て、腕を構えた。
咄嗟に腕を顔の前にクロスして、ガードの形を取る。
男は、ラリアットのように首辺りを狙って、そのまま突進してきて、私は吹っ飛ばされた。
タケミチくんとヒナが、焦ったように名前を呼ぶのが聞こえた。
「ドー。」
男が体勢を整えて立つと、黒龍のメンバーは、深く頭を下げた。
八戒くんが兄貴と呟く。
ということは、こいつが・・・黒龍のボス。
「・・・は、ド突くのドぉぉ!!」
なに、こいつの力・・・腕が千切れそうになった。
腕を庇いながら立ち上がると、大寿は楽しそうに顔を歪めて、黒龍のメンバーの間を通って行く。
「ずりぃなてめぇら、楽しそうじゃねぇかよ!!オレも混ぜろ!!」
と言って、タケミチくんの胸ぐらを掴んで持ち上げ、笑いながら左手で顔を殴り飛ばした。
胸ぐらを掴んだ瞬間に私は走り出して、飛ばされたタケミチくんを受け止める。
駆け寄ろうとするヒナを、柚葉さんが止めてくれた。
大寿は私たちのことを知らないで、殴り飛ばしたらしい。
黒龍はどうなってんだか・・・。
ココという男が、私たちのことを教え、八戒くんの友達だということも伝えると、大寿はタケミチくんの顔を蹴り上げた。
「じゃあ八戒は我が家へ、のこのこと東卍の奴を連れて来たのか?いくら言っても、こっちに来ねぇのによ!!!」
あんたらのとこになんか行くはずないじゃない。
そんなクソみたいなとこ。
大寿が八戒くんに、タケミチくんを殴り殺せと言うと、八戒くんは怯えながら、庇ってくれた。
だが大寿は八戒くんに、兄であるオレの命令は絶対だと言う。
「ファミリーの絆は、仲間のそれより上だろ?」
怯える八戒くんを庇うように、柚葉さんが口を挟む。
そんな柚葉さんの顔を、大寿は殴り飛ばした。
こういう奴は大っ嫌いだ。
暴力で支配する、そんな奴はこの世界から、いなくなればいい!!
私の愛する人は、仲間にそんなことしないし、女にだって手をあげない。
一虎さんの時は、別だけど・・・。
「兄弟って言ったって、柚葉は女だぞ。てめぇは女を殴んのかよ!!?」
大寿はそう言ったタケミチくんに近付き、八戒くんに変わりに尻拭いしてやると言った。