第3章 revenge2.5
なんでよ・・・私たちは、どうなってしまったの・・・?
「万次郎、好き・・・大好きっ!愛してるっ!!」
「いつも、こんな早く切れねぇのに・・・。」
なんで、私の言葉を、無視するの・・・?
私の腕を掴んで離そうとする。
「万次郎・・・まんじろぉっ!!」
「オマエ、オレのこと好きじゃねぇだろ。」
何を言ってるの・・・?
何度も愛を伝え合ったじゃない!
私の腕を無理矢理離して、ベッドから下り、私と距離を置く。
離れないでよ・・・あんなにいつも、くっついていたのに・・・。
彼を追いかけるように、ベッドから下りて近付こうとすると、足に力が入らずに、床にペタンと座り込んでしまった。
「おい、さっきイきっぱだったから、立てねぇだろ。」
彼は、私を見下したように、冷たく睨んでくる。
そのまま彼は、簡単に私から目を反らして、部屋を出て行った。
「待って!!」
ベッドに手をついて立ち上がり、壁を伝ってドアに辿り着き、部屋を出た。
手足を縛られ口を塞がれて、膝立ちする、両親がいた。
「お母さん!!お父さん!!」
ドアノブから手を離し駆け寄ろうしたが、前のめりに転んでしまう。
後ろから、両親の後頭部に銃を向ける男たちを睨んだ。
「星那!?・・・よかった、無事だったのね?」
どうなってるの?
両親は死んだはずだ、何故、生きて、ここにいる?
両親の目の前のソファーに、万次郎が座っていた。
「総長、殺してもいいですか?こいつらは、何年も前からオレたちを嗅ぎ回っている鼠です。何を知ってるかわからない。」
銃を向けた1人の男が、そう彼に言った。
「待て。殺していいんなら、ここに連れて来させないだろ。」
床に手を付いて這いながら、万次郎の方へ向かう。
もしここが、変えることが出来なかった、巨悪化した現代の東京卍會なら、どうして私はここにいて、どうして両親が生きている。
「総長は姫に、甘過ぎるんですよ。」
姫って、私のこと?
確か私は、東卍の最強の姫って呼ばれてた気がする。
彼は何も答えずに、そう言った男を睨みつける。
彼に辿り着いて、膝にしがみつき、殺さないでと乞う。