第3章 revenge2.5
彼は顔を上げて、私越しに母と目を合わせる。
「オレも星那しかいらねぇ。オレは彼女に忠誠を誓いました。何があっても、もう星那が嫌がることはしない。」
「お母さん、お願い、許して・・・私はずっと万次郎だけを想い続けてきたの・・・・・・私の幸せを奪わないで・・・。」
涙を流して、母にそう言いきって、万次郎に抱き着いた。
「万次郎・・・大好き、愛してる・・・。」
彼が私のことを、ここまで大切に思ってくれているなんて・・・嬉しくて、幸せで・・・それを返したいと思った。
彼が私を強く抱き締め返してくれる。
「わかったわ・・・過ぎてしまったことだし、星那が傷付いてないなら・・・だけど、ハロウィンの日、星那はボロボロで帰って来たわ、何があったの。」
全て話した。
これ以上隠したって、母はきっと言うまで許さない。
また母はすごく怒ってしまったけど、私のことを想ってのことだ。
「お母さん、私たちを信じて・・・。」
母は少し過保護過ぎるところがあると思う。
そんな母でさえ、私は愛しているけど。
必死に母を説得して、なんとか許してもらい、ご飯の準備をする。
母に私が作ると言って、彼と一緒にリビングで待ってもらった。
よかった・・・彼と母が、笑って話してる。
オムライスとコンソメスープを作り、テーブルに運ぶ。
万次郎と母を呼び、ご飯を食べ始めた。
「これ、どうしたの?」
「ドラケンさんから貰ったの。」
オムライスの真ん中に刺さった旗を指差し、目をキラキラさせた万次郎は・・・本当にいつも思う、あんなに大人っぽかったのに、切り替えがすご過ぎると・・・。
可愛過ぎだし。
そんな彼を見て、母が微笑んだ。
これから、彼が両親を殺す未来は来るのだろうか。
どうかそんな未来が来ないでと、願う。
そして、そんな未来にさせないことを、誓う。
彼はオムライスを美味いと言って、頬張っていた。
「万次郎、ついてるよ。」
頬についたケチャップライスを指で取り、それを彼の口に運ぶと、私の指を少し咥えて、ペロッと舐めて離す。
なんか・・・うん、5歳児かな?