第3章 revenge2.5
一度洗面所に行ってから、リビングに入る。
「遅かったわね?」
「なかなか、起きれねくて・・・。」
万次郎がそう言って誤魔化した。
「冷えちまったっスよ・・・玉子、星那が作ったみたいっス。」
「わぁ、星那が作ったの、初めてだぁ!!」
目ぇキラキラさせちゃって・・・さっきの色っぽい万次郎は、何処かに消えた。
急いでイスに座ると、いただきますと言って、玉子焼きを口に放り込む。
「甘いのだ!!うまぁ!」
可愛いなぁ・・・普段こんなんなのに、暴走族の総長なんだもんなぁ・・・。
「甘いの初めて食うけど、こんなうめぇんだな。」
千冬もお気に召したようだ。
「星那ちゃんはいいお嫁さんになれそうだね、しっかりしてるし、姉さんからよく料理してるって聞くし・・・。」
そういえば、母の帰りが遅い時とかは、よくご飯作ってたなぁ。
実は、玉子焼き苦手なんだけど・・・巻くの難しい・・・。
「結婚したら、星那の作った飯は、オレだけのもんだからな!」
衝撃の一言に、口に入れた味噌汁を吹き出しそうになった。
「2人はそういう関係なのか!」
おばさんがおじさんにそうなのよと答える。
なんか、すごい恥ずかしい・・・。
なんとなく、壁に掛かった時計に目をやると、8時を指そうとしている。
「やばっ、おばさん、ごめん!遅刻しちゃうから、もう行くね!!万次郎、送ってって!」
残っているご飯をかき込んで、おばさんに謝り、千冬の部屋に荷物を取りに行く。
さっき、トレーナーを着て脱いだマントと万次郎の特攻服を持って、リビングに彼を向かいに行く。
松野家にお礼を告げて、万次郎を引き摺って、家を出た。
彼に家まで送ってもらい、急いで制服を来て家を出た。
「万次郎、まだいたの?万次郎も遅刻しちゃうよ?」
「送ってく。オレは給食まで間に合えばいいから。」
給食の為だけに、学校行ってるんだね・・・。
ありがとうと言いながら、彼の後ろに乗り込み、学校までの道のりを走り去る。
学校に着き、彼にバイバイして、ホームルームが始まってる教室にこっそり入った。
バレたけど・・・。
てか、結局、遅刻しちゃった。