第3章 revenge2.5
タケミチくんが、壱番隊隊長・・・?
「タケミっち、これが場地さんの意志だとオレは思ってる!場地さんがオマエに託し、オレと総長が決めたことだ。」
そうだ、場地さんはタケミチくんにマイキーを・・・東卍を託したんだ。
万次郎が声を上げた。
「花垣武道!!!顔、上げて、みんなに挨拶しろ!!」
まだだ・・・まだやれることはある。
例え、稀咲が今、東卍にいても、私は総長側近、タケミチくんは壱番隊隊長だ。
タケミチくんならきっと・・・彼には、たくさんの人に託された思いがある。
私は、彼の道標に・・・光になる。
彼を、暗くて寒いところに、独りぼっちにはしない。
「よろしくお願いしますっ!!!」
タケミチくんは、涙を流しながら天を仰いだ。
三ツ谷さんがまた刺繍入れ直しだと、嬉しそうに言った。
みんなが笑顔だ。
「星那ちゃんも。」
「へ?」
ドラケンさんは私の手を引いて、万次郎がいる階段の上に連れていく。
「ケンチン?」
私をみんなの方に向かせ、万次郎の隣に立たせる。
「オマエらぁ!!総長、佐野万次郎は、総長側近、三浦星那に服従した!!これから、総長側近の言葉は総長の言葉だと思え!!!」
「え!?」
いや、だってあれは・・・東卍とか、そういうことじゃないんじゃ・・・。
みんながその言葉に狼狽える。
「ドラケンさん!?それとこれとは・・・。」
万次郎が私の肩に触れ、笑顔を見せる。
そしてそのまま膝まつき、私の足を取って、立てた膝の上に乗せた。
私の足に手を添えて、口を付け、靴を舐めた。
「な、にして・・・。」
彼の行動に驚き、言葉をしっかりと発することが出来ない。
「オレは・・・星那のもんだ!」
手の甲にキスをしたと思ったら、いきなり立ち上がって飛びつかれた。
勢いに耐えきれず、後ろに尻もちをついて倒れる。
少し身体を起こし、顔を近付けてくる。
咄嗟に彼の口を押さえた。
さすがに、ここでキスはムリ。
彼はむくーっと膨れて立ち上がり、私の手を引っ張って立ち上がらせた。
とりあえず、みんなの方を向いて、頭を下げた。
「これからもよろしくお願いします!!」
みんなは少し躊躇ったが、すぐに歓声を上げた。