第3章 revenge2.5
万次郎は少し置いて話し始めた。
「血のハロウィン、芭流覇羅約300vs.東卍約150、この圧倒的に不利な状況の中、オマエら一人一人の頑張りで勝利を掴み取った。負けた芭流覇羅の副総長、半間修二から挨拶がある。」
半間が前に出て話す。
「芭流覇羅は東京卍會の、傘下に降る!!!」
芭流覇羅が東卍の傘下に・・・それじゃあ、意味ない。
彼が一虎さんを殺すのを止めたのに・・・東卍は勝ったのに、芭流覇羅と一緒になったら、場地さんが命を張ってまで守った東卍が・・・。
半間と万次郎を繋いだ人がいる、そいつのせいで芭流覇羅が傘下になってしまった。
「稀咲鉄太!!」
稀咲・・・鉄太・・・また稀咲に、東卍が乗っ取られてしまう。
これじゃあ、また同じ未来だ。
場地さんの命がムダになってしまう・・・。
稀咲が前に出て、半間と万次郎が繋いだ手の上に、手を置いた。
どうすれば、彼らを守れるの・・・?
万次郎が、話がもう1つあると言った。
「血のハロウィンで得たものもあれば、失ったものもある。」
彼は少し俯いて、話を続ける。
「壱番隊隊長、場地圭介が死んだ。オレらはこの事実を深く反省し、重く受け止めなきゃいけない。」
唇を噛み締めて、万次郎と千冬を見つめる。
場地さんが死んで、1番辛いのは、あの2人だ。
彼は、後の話を千冬に任せた。
千冬が少し前に出て話し出す。
場地さんと千冬がどうして仲がいいかは知らない。
でも・・・2人がすごく固い絆で結ばれてるのは、痛い程わかった。
「東卍を辞めようと思ってたオレを、総長はこう言って引き止めた。壱番隊の灯をオマエが消すのか?」
私は、千冬の為にも、場地さんを救いたかった。
千冬がいなかったら、今の私はいない。
恩返しがしたかった。
「壱番隊を引っ張っていくのは、オレにはやっぱり荷が重い。総長と話し合った、何日も何日も・・・そしてこういう形にたどり着いた。てめぇがついて行きたい奴ぁ、てめぇが指名する!!!」
千冬は下を向いていたが、何かを決心したように、バッと前を向いた。
「花垣武道、オレはオマエを壱番隊隊長に命じる!!!」
千冬がそう、強く叫んだ。