第3章 revenge2.5
タケミチくんのその問いに、ぺーさんは答えてくれた。
「特服だよ。」
どうやら、三ツ谷さんが直々に私たちの特攻服を仕立ててくれてるらしい。
ぺーさんは三ツ谷さんに、特攻服を仕立てるのは、初期メンバー以来だよなと聞いた。
私のまで作ってくれてるの?
「オレらにとって1番のフォーマルは、特服だろ!」
と、ミシンを動かしながら答えた三ツ谷さん。
「オレなりの感謝の気持ちだよ、タケミっち。8·3抗争ではドラケン救ってくれて、血のハロウィンではみんなの目を覚ましてくれた。」
そう言いながら、ミシンをカタカタ言わせて、縫っていく。
「星那ちゃんは、暴走するマイキーをただ見てることしか出来なかったオレたちの代わりに、身体を張って止めてくれた。そして今も、あいつの隣にいてくれる。」
そんな・・・感謝されることじゃない、私はただ、私がしたいことをしただけだ。
「だから、オマエらの特服は絶っ対ぇ、オレが仕立てたかったんだ。」
嬉しい・・・今まで特攻服のことなんて何も知らなかった、興味もなかった。
でも、彼らに会って、特攻服がどれだけ大切なものかわかった、だから・・・東卍の幹部である彼が仕立てることに、どれだけの意味があるかもわかる。
三ツ谷さんは出来たと言って、私たちにそれぞれ特攻服を持たせる。
なんか、タケミチくんとはちょっと違う。
「三ツ谷さん、これは?」
マントのようなものを広げて、聞く。
「あーそれ、マイキーからの要望なんだよ、シルエットがわかりにくいものにしてくれって。その下は、サラシとか・・・なんでもいいよ。」
フード着きの真っ黒なマントの背には、東京卍會と金の刺繍がされている。
腕を入れるとこもある、少し動き易いようにされてる。
ちょうど腕の外側には、右に暴走卍愚連隊、左に初代総長側近と刺繍されている。
胸元には左右それぞれ、天上天下、唯我独尊という刺繍。
ズボンはみんなと同じだった。
「三ツ谷さん、私・・・これ、宝物にします!!」
嬉しくて、特攻服をぎゅっと抱き締めた。
「気に入ってくれてよかった。」
三ツ谷さんは、そう言って微笑んだ。
これで、本当に仲間になれた気分だ。
家に帰り、部屋に飾って、大事にする。