第3章 revenge2.5
腕を離し、ゆっくりと足の方に移動して、ふくらはぎを優しく持ち、脛にキスをする。
そのまま手を踵に移し持って、足の甲にキスをし、手を逆手にし足首を持ち、足の裏にキスをした。
そして最後に指先にキスをして離れる。
「ま、じろっ、さんっ・・・!」
彼のキスした場所の意味を理解し、掠れる声で何度も愛してると呟く。
そして初めて、彼の名前を呼んだ。
「星那、さんはいらないよ、万次郎って呼んで?」
「まん、じろー、万次郎、万次郎っ!愛してるっ・・・!!」
「ん、オレも愛してる。」
私の横に横になり、腕枕をして私をぎゅっと抱き締める。
彼が、私に服従し、強い忠誠心を示して、私には敵わないと言っている。
東京卍會の総長が・・・どんな人の上にも立つ強い男が、私を自分よりもすごい人だと・・・。
ドラケンさんはいつの間にかいなくなり、私はとても幸せな深い微睡みに沈んでいった。
次の日、バブの後ろに乗り、海を目指した。
リュックに赤いブレスレットを詰め込んで・・・。
潮風を感じ、海が近いことを知らせる。
「星那さ、なんて呼ばれてるか知ってる?」
「え?どういうこと?」
東卍のみんなにってことかな?
だったら、総長の女とかそういうのじゃないの?
「東卍の最強の姫。」
「え!?なにそれ!?」
「芭流覇羅とヤり合った時、東京中の奴らが見に来てたじゃん?オマエの強さを見て、誰かがそう呼び始めた。」
私、全然強くないんだけどなぁ。
オマエが強いって知れ渡ってれば、絡んでくる奴が減るなと笑って言う彼は、能天気だなぁと思った。
言い換えれば、強い奴は絡んでくるってことじゃん。
「でもさー、オマエはオレだけの姫な?」
「じゃあ、万次郎は私だけの王様ね。」
「王子様じゃねぇの?」
海に着き、砂浜に走って行く。
「万次郎は、わがままな王様ー!!」
「じゃあオマエは女王様だな!!」
なんでよってむくれると、ちゅっとキスをされる。
沈んでいく夕日を眺めながら、砂の上に座った。
「このままオマエと、どこかに消えてしまいたい・・・。」
どうしてと聞いても何も答えてくれず、そのまま他の話題になる。