第3章 revenge2.5
「その女・・・マイキーくんの家から、2人仲良く出て来たとの噂だ。しかも、お泊まりからの翌朝だ。」
その言葉を聞いて、盛大に転けそうになってしまった。
一緒に住んでるんだから、あたりまえだろう。
山岸くんまで、2人を知らないとは・・・。
山岸くんのその言葉を聞いたヒナが、二股だと決めつけてしまった。
あと必要なのは本人たちの自供だと言って出て行こうとするヒナをタケミチくんは必死に止めようとするが、ヒナはドラケンくんが可哀想と言って、行ってしまう。
その時後ろから、ドラケンさんが現れた。
タケミチくんがうそぉおおおと言いながら、涙を流して何とも言えないすごい顔をしている。
笑いを堪えられない。
ヒナが2人がいるテーブルをバンッと叩いた。
私は塀に隠れながら見守る。
なんとく、彼に会いにくい・・・。
ドラケンさんが、プッと吹き出した。
「オマエ、妹の誕生日、付き合ってんの?マイキー!!」
バレちゃった。
ドラケンさんはタケミチくんたちに、2人は腹違いの兄妹だと教えた。
エマちゃんがヒナには言ったけどなーと言ってるのを無視して、ヒナと山岸くんはパフェを見ていた。
やっぱりヒナには言ってたんだね。
なのに、ヒナときたら・・・。
まあ、面白かったからいいけど。
「誕生日、おめでと。」
エマちゃんの頭にクマのぬいぐるみを置いて、ニカッと笑った。
「用済んだし、帰るわ。・・・あ、星那ちゃん、2人が兄妹だって知ってっだろ?なんで教えてやんなかったんだ?」
「え、星那!?」
なんで言うの、ドラケンさん!?
マイキーさんが食い付いてしまった。
ドラケンさんは言うだけ言って、帰ってしまった。
着ていたパーカーのフードを被り、塀からヒョコっと出ていく。
ゆっくりと近付いていくと、マイキーさんも近付いてくる。
「星那ー!!会いたかった!もう怪我は大丈夫なのか?」
抱き着いてきて、星那星那と何度も私の名前を呼び、スリスリと匂いを嗅ぐように顔を首元に擦り付ける。
そんな彼の姿に、自然と笑っていた。
「もう大丈夫だよ。」
抱き締め返して、彼の肩口に顔を埋める。