第2章 revenge2
彼らが中1の頃、一虎さんが1人で黒龍というチームと戦っていたが、黒龍という大きいチームとヤり合うには、大義名分が必要だった。
そこで場地さんが言い出した、オレらでチームを創るんだと。
それぞれのポジションも彼が決めた。
総長は天上天下唯我独尊男、マイキー。
副隊長は頼れる兄貴肌、ドラケン。
親衛隊長はみんなのまとめ役、三ツ谷。
旗持ちは力自慢の、パーちん。
特攻隊は、場地と一虎。
みんなにあった役割だった。
そう、東卍は場地さんが創った。
その時のチーム名は、東京万次郎會。
みんな賛成はしていなかったらしい。
そして、場地さんは彼に言った。
「オレらの全てをオマエに預ける、時代を創れ、マイキー。」
どんなチームにしたいかも、全て場地さんが決めた。
「一人一人がみんなの為に、命を張れる。」
そんなチームしたいと・・・。
「これがその・・・結成記念のお守りだ。」
そう話す彼を、静かに見つめた。
「東卍を創ったのはオレじゃない・・・場地だ。誰かが傷付いたらみんなで守る、一人一人がみんなを守るチームにしたい、そうやって出来たチームだったな。」
彼の目には涙が溜まり、その瞳に光を宿す。
創設メンバーが涙を流す。
最高のチームじゃない・・・そんなチームを稀咲なんかに、汚れさせない。
「場地くんはずっと1人で戦ってたんスね・・・その日の約束を守る為に・・・。」
場地さんが命懸けで守った東卍を、今度は私たちで守るから。
タケミチくんも千冬もみんな、たくさんの涙を流す。
「ごめんな・・・場地。」
彼は場地さんの前に立ち、涙を流しながら謝る。
その時、サイレンが鳴り響いた。
他のみんなは足早に逃げて行く。
一虎さんは場地さんと残ると言った。
「オレの起こしたことだ、自分でケジメをつけたい。」
彼はわかったと言って、一虎さんに背を向けた。
「マイキー・・・許してくれなんて言えねぇ、真一郎くんのことも場地のことも、一生背負って生きていく。」
一虎さんは、彼の背に頭を下げた。
一虎さんはきっともう、大丈夫だ。
場地さんが命を張ってまで、一虎さんを助けた、私は許すしかないよね。