第2章 revenge2
マイキーさん、ダメ・・・やめて・・・。
彼はゆっくり歩き下に下りていく。
「殺したかった・・・ずっと・・・てめぇが年少から出て来たら、真っ先にオレが殺そうと思ってた。そんなオレを諭し続けてくれたのが、場地だった。」
嫌だ・・・。
このままじゃ、あの未来に繋がってしまう・・・。
止めようと思ってても、彼が放つ殺気に震えてしまって、立ち上がることが出来ない。
「場地が言ってた、一虎はマイキーを喜ばせたかった、だからあいつは受け入れられない、例えマイキーの兄貴を殺しちまっても、自分を肯定する為に、マイキーを敵にするしかなかった・・・ってよー。」
場地さんはただ、マイキーさんに一虎さんを許して欲しかっただけなんだ。
仲直りして、前みたいに笑い合っていたいだけだったんだ。
それなのに、こんなことになって・・・
こんなの、辛過ぎるよっ・・・。
我慢出来ずに嗚咽が漏れる。
涙をどれだけ流しても、枯れてなんかくれない。
「マイキー。」
「ケンチン、喧嘩はもう終わりだ。」
彼は半間を核弾頭のようなハイキックでこめかみを蹴り、ノシてしまった。
「ホラ、終わった。」
彼の表情が伺えない。
彼は一虎さんの前に立ち、対峙する。
「終わらせようぜ、マイキー。てめぇが死ぬか、オレが死ぬかだ。」
彼は一虎さんの顔を殴り飛ばした。
「大事なもん壊すしか能がねぇなら、オレがここで壊してやる。」
無表情で真っ黒な瞳、今まで見たことないくらい、怒ってる。
今度は、顔を蹴り飛ばす。
そして馬乗りになり、何度も何度も一虎さんの顔を殴り続ける。
これはあの時見た、過去だ。
変えることが出来ない・・・?
「もうやめて・・・もう、やめてよぉ・・・。」
嗚咽が止まらず、その声がちゃんと言葉になっかもわからない。
「マイキー。」
っ!?場地さん・・・?
彼は立ち上がった。
「マイキィィ!!」
彼の名前を大声で呼んで、血を吐き出した。
マイキーさんの腕が止まる。
場地さんはヨロヨロと歩きながら、下に下りて行った。
「オレの為に・・・怒ってくれて・・・ありがとな。」
涙がブワッと溢れ出し、声を漏らす。
行かなきゃ・・・彼らのとこに行かなきゃ。
震える足を無理矢理動かした。