第2章 revenge2
「千冬っ!?」
千冬が場地さんの前に立ち塞がる。
千冬、お願い、彼を止めて・・・止められるのは、貴方しかいない。
「今ここで稀咲をヤるのは、マイキーくんを裏切ることです!」
場地さんは持っている鉄パイプで、千冬の頭を殴り飛ばした。
千冬、大丈夫かな・・・。
「いい気になんなよ、千冬ぅぅ!てめぇをオレの横に置いたのは、喧嘩の腕を買っただけ、てめぇの考えなんてどーでもいーんだよ。」
「オレは壱番隊副隊長!!!場地さんを守る為にここにいる!!どーしてもこの先に行くなら、オレも容赦しねーぞ!!」
「やってみろ。」
千冬の息が荒くなる。
千冬に出来る訳ない、場地さんを殴るなんて・・・。
場地さんが芭流覇羅に入る為に踏み絵になった時も、千冬は一切やり返さず、受け入れ続けた。
そんな信頼してる相手を・・・守る為であっても、殴れる訳ない!
私だって、彼を殴って止めることなんて出来ないんだから・・・。
場地さんが数を数え始める。
5秒を数えた頃、話し出した。
「容赦しねーんじゃねーのか?殺さねーと止まんねーぞ、オレは。」
やめて、場地さん・・・お願い止まって・・・。
貴方を失いたくない・・・。
場地さんはゼロを数えた。
その時、タケミチくんが場地さんにしがみついた。
「千冬!!一緒に場地くん止めんぞ!!・・・千冬!!!」
「ダメだ、タケミっち・・・オレは・・・場地さんを殴れねー。」
千冬は、ガーゼをしていない片方の目から、一筋の涙を流した。
うん、そうだよねっ・・・わかってるから、そんな辛い顔しないで・・・。
マイキーさんの背中に回した手を握り締めた。
場地さんがタケミチくんの後頭部を肘で殴り、意識が飛びそうになるが、彼はなんとか持ち堪えた。
タケミチくんが何か思い出したように、こちらを見た。
っ!?
振り向いてみると、そこに一虎さんがいない。
確かにそこに、倒れていたのにっ・・・!!
すぐにタケミチくんの方に振り向くと、一虎さんがいた。
どうしてそこにいるの?
どうして、刺したような格好で場地さんの後ろにいるの?
タケミチくんが一虎さんを吹き飛ばした。