第2章 revenge2
彼が膝をつき起き上がったのを見て、足を止めた。
「オレはオマエの敵か?一虎。」
どういう意味?
だって貴方は、一虎さんを憎んでるんでしょ?
その言葉を聞いた一虎さんは、一瞬動きを止めた。
「オレは、オマエのせいで苦しんだ、オマエのせいで年少にいたんだ。」
「は?なに言ってんだ、てめぇ。」
「敵に決まってんだろーが!!!オレは邪魔なモノを排除する。知ってるか?マイキー、人を殺すのは悪者、でも敵を殺すのは・・・英雄だ!!!」
なに言ってんの、あの人。
狂ってる!!
そんなの、どっちも悪だ。
本当の英雄は敵を殺さない、こっちの道に連れ戻すのが英雄だ。
タケミチくんみたいに・・・。
マイキーさんは、坊主の男に羽交い締めにされ、もう1人のスキンヘッドの男に足を押さえられた。
一虎さんに鉄の棒を向けられる。
そしてマイキーさんの顔を殴った。
何度も何度も何度も・・・。
あんなの、卑怯者がすることだ。
手足を押さえられ・・・本当の喧嘩をしやがれ!!
「一虎ぁぁぁあ!!!」
廃車を駆け上がろうとすると、芭流覇羅のメンバーに腰を押さえられた。
「オレは英雄になる為に、敵を殺す。」
頭を下げて動かなくなった彼に、一虎さんは棒を振り下ろした。
「クソが・・・!」
腰に巻き付いた男の顔面を肘で思いっ切り殴った。
軽くなった足を彼に向けて踏み出す。
「敵を殺す?そんなことで兄貴を殺したのか?」
マイキーさんからものすごい殺気を感じて、足を止めた。
今まで見たことない程、彼は今、怒っている。
羽交い締めにしていた男を頭突きで吹き飛ばし、足を押さえている男ごと足を振りかぶって、一虎さんのこめかみを蹴り飛ばした。
マイキーさんの蹴りをモロにくらった一虎さんは、気絶してしまった。
強い・・・。
その時、肩で息をしていた彼は、突然座り込んだ。
「マイキーさん!!」
急いで廃車の山を駆け上がる。
芭流覇羅も動き出し、幹部が身動きを取れない。
彼のいるところまで駆け寄り、庇うように抱き締めた。
もう、誰にも傷付けさせないっ・・・!!
自分の身が壊れようとも、守ってみせる。