第2章 revenge2
「一虎ぁ、逃げ回るだけかぁ!!?」
その時彼の声が聞こえて、そちらに目を向けると、一虎さんを追いかけて廃車の山を駆け上がる彼がいた。
ムリだっ、敵が多過ぎて、彼の元へ行けないっ・・・!
「もう・・・邪魔なんだよっ!!」
迫り来る男の顔面を殴り飛ばす。
「マイキーさぁーん!!!」
「星那!!そこで待っとけ、すぐ終わらせる!!」
振り向いて叫んだ彼に、力強く頷いた。
「マイキーさん!?」
その時突然2人の男が出て来て、1人がマイキーさんを蹴り飛ばした。
彼はそれをガードして、廃車の上に膝をつく。
待っとけって言われたけど・・・でも、ダメだ、私が行ったって邪魔になる。
「ひゃっ!?」
突然視界の端に入った足を、間一髪のとこで躱す。
体制を整えて向かって来るそいつの足に、足をかけて転ばし、勢いをつけて飛んで、両足でそいつの背中に思いっ切り着地する。
ぐぇっと汚い悲鳴をあげて、そいつは気絶した。
後ろに気配を感じて横に飛ぶ。
「なんで武器なんか持ってんのよ!?男なら、拳で戦え!!」
鉄の棒を振りかざす男の背後に回り、腕で首を締め上げた。
男が落ちたとこで、手を離す。
これじゃあ、マイキーさんのことも見てらんない。
さっきから、場地さんも見当たらないし・・・。
きっとマイキーさんは3vs1で戦ってる、そんなの、卑怯じゃんか。
向かってきた男を蹴飛ばし、後ろから来る男は、振り向いて顔面を殴り潰す。
手も足も痛いし、何年も鍛えていない身体はすでに、悲鳴をあげていた。
体力も底をつきそうだ。
まだ来るの・・・?
拳を振りかざして向かって来る男のパンチをモロにくらった。
「はぁ、はぁ・・・。」
のそりと起き上がり、肩で息をする。
「もう、いい加減にしてよっ!!」
男の胸に両足で飛び蹴りをくらわす。
転がった男を見下した。
その時、嫌な声を聞いた。
「とったぁ!!」
マイキーさんの方を見上げると、一虎さんに鉄の棒で頭を殴られた。
マイキーさんがスローモーションに倒れていく。
ドラケンさんが彼の名前を呼ぶ声が、遠くで聞こえた。
「マイキーさんっ!」
涙を流しながら、突然軽くなった身体は勝手に動き出す。