第2章 revenge2
え、ここどこ?
風、強い・・・。
バブを前に立つ、彼の姿を捉えた。
ドラケンさんもいる。
目の前には海が広がり、その奥にはビルが建ち並ぶ。
特攻服を着た彼がぼんやりとバブを見つめ、話し始める。
「もう戻れねぇのかな・・・?兄貴ならどうすんだろ・・・?」
バブに手をかけ、問いかける。
「さぁ?そいつと語って来いよ。気が済むまでさ。」
その言葉に彼は、バブーーーと排気音を鳴らしながら、走り抜けていった。
ドラケンさんのゼファーの後ろに乗り込み、彼の服にしがみつく。
「あんまりくっつくなよ、マイキーに殺される。」
「あははっ、そうだね!」
彼が私の裸を見た時のマイキーさんを思い出した。
風を切るように走り出したゼファーに乗りながら、これから起こることを思い浮かべる。
「ドラケンさん、私は、場地さんを守る。」
「場地を?」
「何か嫌な予感がするの。マイキーさんが悲しむ顔は、見たくない・・・。」
その後は一言も喋らず、ドラケンさんは私をマイキーさんの家まで送り届けてくれた。
彼の部屋に入り、ベッドの上にある、あのボロボロのタオルケットをぎゅっと握り締めて、抱き締めた。
ギシッとベッドのスプリングが軋む音がして目を開けると、マイキーさんがいた。
私、寝ちゃってたんだ。
「それ、オレのなんだけど。」
そう言いながら、私を優しい顔で見つめる。
タオルケットを握り締めたまま腕を広げて、胸の中に彼を招き入れる。
彼の背中にタオルケットを掛けて、その上からぎゅっと抱き締めた。
いつの間に帰ってきていたんだろう。
特攻服を着ていたのに、今はスウェットを着ている。
「星那、愛してる。オマエは・・・オマエだけはオレの前からいなくならないでくれ・・・。」
「うん、いなくならないよ。」
今にも消えて失くなりそうな彼を、より一層強く抱き締めて、ここに留める。
小さくて弱い貴方は、私が抱き締めるよ。
だから貴方は、貴方が本当に進みたい道を歩んで・・・。
2人一緒に、暗い微睡みに落ちていった。