第2章 revenge2
目の前には俯いて話すドラケンさんがいるのに、私の目に映ったのは、倒れる場地さんと、顔を血で真っ赤に染めて一虎さんを殴り殺すマイキーさんの姿だった。
「あの日マイキーは、一虎を殺した。」
マイキーさんが、一虎さんを殺した。
私は止められなかった・・・。
悔しさに唇を噛んだ。
稀咲が用意した身代わりでマイキーさんは捕まらず、東卍は芭流覇羅に乗っ取られ、総長マイキー、総長代理を稀咲とし、東卍は巨大組織に膨れ上がってしまった。
マイキーくんが人を殺す訳がないと言うタケミチくんにドラケンさんは、あの時のマイキーの立場になっても、一虎を殺さない覚悟があるのかと問う。
「兄を殺した仇だぞ?そして・・・あの日一虎は・・・場地を殺したんだぞ!!」
その言葉にさっき見えた記憶の中の倒れた場地さんが、頭の中に浮かんだ。
一虎さんは、真一郎さんだけじゃなく、場地さんまでも奪ったの・・・?
許せない・・・!
「オマエらも見てたろ?」
その時初めてタケミチくんは、過去の記憶を見たようだ。
「そして星那ちゃん、オマエもマイキーを止められなかった。憎しみに支配され、一虎を殴り続けるマイキーに恐怖した。それ以来、オマエはマイキーの前から姿を消した。」
星那ちゃんがいなくなったマイキーは、もう戻る方法を失くしてしまったんだと話した。
私がマイキーさんを怖がり離れた。
誓ったのに・・・?
私は何をしてんだ。
絶対にもう、彼から離れない・・・過去を変える。
憶えてない記憶が見せた、一虎さんを殺した時のマイキーさんの、あの悲しい顔を、もう見たくないんだ。
拘置所からの帰り道、タケミチくんと涙を流しながら誓い合った。
マイキーさんを助けると・・・。
マイキーさんが一虎さんを殺したのは、場地さんを殺されたからだ。
今回のミッションは、場地さんを守る。
そろそろキメねぇとなと言うタケミチくんに直人くんは、実は君はすごい人なのかもと言った。
そうだ、タケミチくんはすごい人なんだ。
いつも泣いているけど、みんなを救う、心が強いヒーローなんだ。
「私は、マイキーさんの道標になる。闇に落ちてしまいそうな彼の、光になる!」
彼らは、強く手を握り合った。