第2章 解放
次の日、目が覚めて身体を起こそうにも重さで立ち上がれなかった
それと同時に乱れていた自分が恥ずかしくなる
昨日の自分はどうかしていた頭が真っ白になって勝手に身体が反応して何もかもおかしくなっていた
「起きた?」
神崎くんが部屋へやって来て私の顔を見つめる
昨日のことを思い出したくないのに思い出した私は布団を被り顔が熱くなった
「シャワーをした後にすぐ眠っちゃったからご飯食べ損ねたでしょ?お腹すいてない?」
「……」
昨日初めて知らない神崎くんを見た
けど、私はそんな神崎くんですらも受け入れて自分から求めていた
「ねぇ?大丈夫?起きられないなら…」
「!…だめ…」
私は触れようとする手をはねのけ、怯える
「そんなに震えて…可愛いね。子鹿みたいに震えて、そういうことすると誘ってるみたい…」
「っ…!やめて…そんなこと…もう…だめだよ…」
「…まだ触れてないよ?そんなに必死になってどうしたの?俺のこと怖い?」
小さく頷くと神崎くんはそっと私の頭を撫でた
「大丈夫だよ」そう言って耳元に囁くと、うずくまる私を優しく抱きしめる
昨日だってそうやって抱きしめられた
神崎くんの胸で静かに私は涙を流した
裏切られたけど嫌いになんてなれなかった
「ご飯食べる?」
「…うん。でも、身体が重くて…」
「動けないんだね。俺が食べさせてあげる」
「それぐらい自分で出来る…」
そう言うと神崎くんは部屋に食事を持ってきて食べる私を見つめていた
「…食べづらいよ…そんなに見られたら…」
「ん?ちゃんと食べてくれるか見てるだけだよ」
そして食べ終わるとまた私は眠気に襲われる
優しく神崎くんに包み込まれたまま眠ってしまった