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オマエしか要らないから【東リベ/オメガバース/R18】

第3章 オマエしか起こせないから


朝を知らせるアラーム音がけたたましく鳴り響き
名前はもぞもぞと掛け布団から手を覗かせアラームを止める。

昨日マイキーくん達に連れ出されその場から逃げ去ったまま遂には学校に戻らず帰宅し一夜明けた。

「···起きなきゃ···学校···。」
考えただけでも憂鬱だった。
行きたくない。
でも、行かなきゃ。
のろのろと身支度を済ませ、家を出た。

まだ行き慣れない通学路を歩きながら
先日、市から配布された「Ωの方へ」と記されたしおりの存在を思い出した。

自分が本当にΩなのか半信半疑で
しおりを開きもしなかったけれど、いよいよ現実味が出てきて不安が募った。

(帰ってから読もう···)
ぼんやりと考えながら歩いているともう校門前までたどり着いていた。

ふと見ると校門前に人だかりが出来てザワついていた。

「あの金髪のヤンキーみたいな子Ωだってー」
「えっウソΩって希少じゃないの?」
「2人目とかヤバ」「意外と可愛いかもー」
「あんた達いつもそうじゃん」

ケラケラと笑いものにされ噂されている様が昨日の自分と重なり思わず恐怖で足が震える。

人集りの真ん中には正座している人物が1人。
「オレ実はΩデス!よろしく!」と書かれた紙を貼ったタケミチくんがそこには居た。

次の瞬間には体が勝手に動き
人をかき分けタケミチくんに手を差し伸べていた。

「何やってんの···タケミチくん」
「···ぁ、おはよう苗字さん」

後ろ手で頭を掻きながら困ったようにタケミチへへへ···と笑った。
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