第1章 PRAY 1
そしてそのまま俺の前から去ろうとする女に俺は金を握らせた。
宿を探してるとか言ってたし
借りを作るのも嫌だったからな。
その女は今まで出会った女の誰よりも
凛としていた。
それまた次の日の夜、
俺はその女にまた会った。
土「ん〜?」
一人で夜のパトロールをしていると
ちどり足の女がふらふらと歩いていた。
声をかけると昨日の女だった。
まさか二日連続で会うとは思っていなくてさすがの俺も驚いた。
頬を紅潮させた女はとろんとした目つきで俺を見る。
それは昨日の凛としている様子からは
想像も出来なかった。