第1章 PRAY 1
桂もそれに気が付いて振り返る。
桂「…お主…」
『早く行くぞ、話は後だ』
私は何か言いかけた桂と共に
すぐにその場を離れた。
『…はあ、はあっ』
桂「はあ…」
道が複雑になっている路地で
私たちは少し息を整えていた。
桂「…お主何者じゃ」
桂はやはりまだ私だと気づいていないようで、不思議そうな顔をして私を見た。
私はゆっくりとかぶっていた帽子を
脱いで、
『共に攘夷戦争を共にしただ。久しぶりだな桂』
桂「…ま、まさか」
桂も驚いたように目をまん丸にした。
そして私を頭の先からつま先まで
まじまじと見つめてほう、と納得していた。