第3章 PRAY 3
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そんなこんなで時間は過ぎて行き…
松「じゃあまた来るからなぁ〜」
酔いが回った松平のおじさんはそんなこと
言いながら出て行った。
土方は何もなかったかのように出て行った。
…あの日土方が私をご飯に誘ったのは
特にきまぐれだったんだろーなぁ。
今日はお互い知らんぷりしてたし。
みんながいなくなってお店の片付けも
終わった時はもう12時を回っていた。
店長「それにしてもすごいよちゃん、あの松平様に気に入られるなんて‼︎」
片付けが終わるなり店長が鼻息荒く
私に声をかけた。
『……はあ…』
店長「いやー、松平様常連なんだよね
本当ちゃんが来てくれて助かったよ‼︎」
『…どうも』
店長「給料あげちゃおっ」
店長はるんるんで更衣室に入ってしまった。
給料あげるとか…
初日なのにラッキー。
私もそのまま更衣室に向かった。
『……お妙さん…』
更衣室にはお妙さんしかいなかった。
妙「もうみんな着替えて帰っちゃったわよ。今日は初日なのにお疲れ様」
『お妙さんもお疲れ様』
妙「いつもはこんなに終わるの遅くならないんだけど今日は貸切だったから…」
『そーなんですか』
お妙さんは何も笑顔のことには
触れてこなかった。
そしてそのまま私はお妙さんと二人で
帰った。