第1章 R h p l ss
何で・・・?
たかちゃんは、面倒みがよくて優しくて周りがよく見えていていつも自分よりも人を気遣う人だった。
恨まれるような人ではないはずだ。
殺すような理由は無いはずなのに・・・。
「なんで・・・なん、で・・・!
たかちゃんを・・・たかちゃんを返してよ!!!!」
嗚咽と共に出た涙は止まらず
万次郎に掴みかかり、叫んだ。
考えたくなかった、出会いたくなかった。
マイキーくんのこと、想いたくなかった。
ふと万次郎の首元に目が止まった
それは龍を象った刺青のようだった。
それは何処と無くたかちゃんと結び付き
ふとたかちゃんが言っていた、たかちゃんの友人の事を思い出した。
名前は見たことも会ったことも無かったが名前も覚えていない知人の刺青に酷似していたように思えた。
何故だかその人の事がとても心配で、震えが止まらなかった。
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「なぁ、名前って好きな奴いるのか?」
ルナとマナの面倒を見ながらいつもの公園で
三ツ谷は小学生男子ながらも恋焦がれる名前へ照れくさそうに問いかけた。
「えっとね・・・この前のお話のね、マイキーくん・・・かな」
名前はブランコに座り、周りの音に今にも掻き消されそうな小さな声で答えた。
三ツ谷にそう返した夢子の顔は
三ツ谷が見たことも無い乙女の顔だった。
その顔をみて惚れ直すも悲しく三ツ谷は告白する前に振られたのだった。
「にぃに、ざんねーん!」
「じゃんねん!」
ルナとマナは兄を見てけたけたと笑い
三ツ谷はうっせ・・・とバツが悪そうに小さく毒づいた。
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