第1章 R h p l ss
「は?引っ越すことになったぁ!?!?」
たかちゃん一三ツ谷隆一は
名前から貰ったまだ口を付けていないアイスを思い切り地面にべちゃりと落とした。
アイスを落とした事にも気付かず今し方聞いた引越しという衝撃的なワードで頭がいっぱいだった。
いつもは揶揄うルナもマナも三ツ谷のその逼迫した表情にぽかんと口をあけ黙って様子を伺っていた。
「うん、お父さんのお仕事がたいへんなことになったんだって。わたし、夏の終わりに引っ越すんだって・・・」
夕暮れ時の公園は子供たちも帰宅し、静まっていた。
名前の小さな声はブランコを揺らす音と共に三ツ谷の耳に響く。
「わたし、たかちゃんとずっと一緒に居られるとおもったのになあ・・・」
「・・・ッんでだよ・・・」
三ツ谷は涙を零すまいと天を仰ぎ声を必死に抑えていた。
名前の言った通り夏の終わりにたかちゃんと東京にお別れをした。