第1章 R h p l ss
「「名前ー!!学校いくぞー!!」」
たかちゃんとマイキーくんが
家まで迎えに来てくれた、今日はなんてしあわせな朝なのだろう。
喜びを隠せず、にまにまと頬をゆるめながら
2人と手を繋ぎ歩いていく。
こんな時間がずっと続いていけばいいのに
夢とは不思議だ。
時折夢だと分かっていても、信じずには居られない。
マイキーくんがたかちゃんを殺すはず無い。
たかちゃんがこの世から居なくなるはず、ない!
胸を張って名前は歩いた。
目が覚めた時にはマイキーくんは枕元の椅子に腰掛けていた。
あれ?ここは何処だろう?
「お、名前目が覚めたか?」
黒髪だった筈のマイキーくんが、金髪に戻っている?
髪を染めたのだろうか。
あの黒髪も素敵だったけれど、短髪だった筈の彼の髪がハーフアップになっている。
「おは、よう?マイキーくん?」
何で語尾にハテナついてんだ?とマイキーくんに笑われそのまま抱き寄せられた。
「え?何?どうしたの」
「なにー?オレの名前にオレが触ってる!」
自慢げに話す彼をよそにオレの名前?と名前自身は理解に苦しむ。
「何か、今日の名前、ヘン!」
ぷくーっとほっぺたを膨らませじとりと名前を恨めしそうに見つめる万次郎。
黒髪だった頃のマイキーくんとは、明らかに様子が違う幸せそうな明るい表情を見て名前はまた泣いてしまった。
「え!?そこ泣く!?どうしたの」
わたわたと慌てる万次郎をよそに、
来客を知らせるインターホンが鳴った。
応答ボタンを押すと、そこには居るはずのないたかちゃんの姿があった
でも何だかとても大人になったような、でも紛れもなくたかちゃんだった。
「ちっす」
「・・・ッたかちゃん・・・?」
「あ?名前お前泣いてね?」
声でわかると言わんばかりの三ツ谷の態度に
万次郎はオレの嫁さんなのに!と不貞腐れていた。
嫁さん?という事は・・・左手の薬指には見慣れない真新しいリングの姿があった。
どうやら私、マイキーくんと結婚したみたい。