第1章 R h p l ss
ねえたかちゃん、たかちゃんなら
こんな時どうしただろう。
私、たかちゃんの事大切だった筈なのに
マイキーくんが殺したって聞いて
マイキーくんに殺してくれないかと頼まれて
どうしても死んで欲しいと思えなかったの。
酷いよね、たかちゃんを殺した人なのに
私、私はどうしたら良いの・・・?
たかちゃん、教えてよ・・・。
傍から見ればエゴの塊であることは明白だが
目の前に居る、弱り切っている万次郎を名前は捨て置けなかった。
たとえ、それが己が犯した罪の所為だとしても。
先程まで殺してくれと懇願していた彼は子供に戻ったかのように名前の膝元で泣きじゃくり名前に髪を撫でつけられながら今し方眠りに落ちた所だ。
信じたくなかったが、やはり万次郎が犯した罪は間違い無いようだ。
手元の携帯の中には、犯罪組織・・・その筋の情報が山ほど眠っている、万次郎が眠りにつく前に語った情報と全て一致した。携帯の明かりがやけに眩しく視界が揺らいだ。
安心して眠る万次郎を眺め
この細い体にどれだけの重みが、命が、罪が掛かっているのだろう
名前はそんな事を考えた。そしてできる限り平然を装った。
泣いて、喚いても仕方がない。
誰も助けてなど、くれないのだ。