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3月9日  【A3】

第4章 寒緋桜


 「ちょっと待ってください!芽李さん!!

 …あぶない!!」

 満開寮を出た先で、何かにぶつかる。
 …何かじゃない、誰かだ。

 グレーのパーカーに寒緋桜のような、濃いピンクの髪が映える。

 「わっと、…すみません!!」

 ふんわりと香った桜のような匂い。
 パッチリで、大きくてまん丸の目、…


 「…く?」

 「え?」

 「え…あ、いえ!怪我ありませんか?」
 「えぇ、まぁ。」
 「よかった…本当に申し訳ありません、急いでて!えっと、えっと…何かあれば支配人に!!」

 後は頼んだ!!
 と、駆け出す。

 まさか、ね?

 とりあえず今は、劇団員が先だ!!


 
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