第4章 寒緋桜
「ちょっと待ってください!芽李さん!!
…あぶない!!」
満開寮を出た先で、何かにぶつかる。
…何かじゃない、誰かだ。
グレーのパーカーに寒緋桜のような、濃いピンクの髪が映える。
「わっと、…すみません!!」
ふんわりと香った桜のような匂い。
パッチリで、大きくてまん丸の目、…
「…く?」
「え?」
「え…あ、いえ!怪我ありませんか?」
「えぇ、まぁ。」
「よかった…本当に申し訳ありません、急いでて!えっと、えっと…何かあれば支配人に!!」
後は頼んだ!!
と、駆け出す。
まさか、ね?
とりあえず今は、劇団員が先だ!!