第14章 冬桜

　「おはよう、さく。よく寝れた？」
　「ん。ねぇちゃんは？」
　「ねれたよ、さくのおかげ。今日学校お休みだっけ」
　「そうだよ」
　「2人でお出かけしない？」
　「うん、いいよ」

　幸せすぎ、弟可愛すぎ。
　弟しか勝たん。

　早く起きないと、みんなの朝ごはん作らないといけないのに。

　「談話室、いこっか」
　「うん」

　咲とお出かけとか嬉しすぎて発狂。至さんに自慢したい。

　2人で談話室にいくと、もうすでに起きてるメンバーは何人かいて。

　「臣君、ごめんもっと早く起きたらよかったね」
　「いえ、むしろもう少し寝ててもよかったのに。芽李さん、昨日の今日で疲れたんじゃないか？」
　「ママ…」
　「ママ？」
　「違うネ！この子は私の子ダヨ！！！」
　「シトロンさんおはようございます」
　「可愛い子供達ダヨ〜っ」
　「ふ、ふふふ」
　「芽李さんが、笑ったッス。かわ、かわいい！」
　「太一君おはよう、太一君もかわいいね、咲と同じくらい可愛い」
　「ちょ！ねぇちゃん！！」

　私を止めようとする咲を見て、にっこり微笑んだのはシトロン君。

　「芽李よかったネ」
　「昨日はありがとう、シトロン君」
　「どういたしまして、ダヨ」

　臣君を手伝うため、キッチンの中にはいり手を洗う。

　「綺麗に使ってくれてありがとう」
　「いや」
　「私がいない間、心配してたの。いずみちゃんはカレーにしがちだし、綴君だって執筆もあるでしょう？
　あとはみんなまぁ…うんって感じだったし。育ち盛りなのにどうしようって」
　「そうか、」
　「また、抜ける時が来ると思うんだ」
　「それは、咲也は…みんなは知っているのか？」
　「咲とは今日話すつもり。おでかけするんだ」

　わちゃわちゃしてるみんなを見ながら2人で手を動かす。

　「だから、その時はまたよろしくね」
　「…いいぞ、任せてくれ。って、言いたく無いな」
　「ごめん」
　「時間がかかってもいい、ちゃんとみんなに説明してからいくなら、俺にできることはする」
　「…そうできるように、がんばるね」
　「あぁ」

　ゾロゾロとみんなが起きてきたころ、食卓には色とりどりのご飯が並ぶ。

　「作りすぎちゃったね」
　「ははは。まぁ、大丈夫だろ。みんなゆっくり噛んでたべろよ」

　こんな賑やかなのは久しぶりだった。