第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
マレウス『旅好きのランプの魔人、愛用のシャツか。表情豊かで快活なリリアに似合いそうだ。このジャーニーシャツを1枚買わせてもらおう』
ようやく土産を購入できたマレウス。すると、今は花火大会のキャンペーンというのもあって、もう1枚を無料でもらい、それを着るのか?と全員が息を飲む中、旅の醍醐味かもしれない、と今度着ることにした
トレイ『このド派手なシャツを、マレウスが..ダメだ、全然想像ができない!』
ケイト『大丈夫?罰ゲームでやらされてるって思われない?』
カリム『楽しそうで良いと思うぜ!折角だし、ジャーニーシャツを着て授業に出てみたらどうだ?』
ユウ『....あ~..面白いことになりますね』
『多分、みんな声も出ないと思うよ』
マレウス『お前たちは何を買ったんだ?』
『紅茶の葉っぱ。一緒にお茶しようと思って』
マレウス『それはいいな。リリアはよく紅茶も嗜むから、きっと喜ぶだろう』
『トレイさん、何買ったの?』
トレイ『いや、実はまだなんだ。トマトジュース好きのリリアに買っていこうと思ったんだが、ここじゃ野菜を見かけなくてな。ラクダバザールにはいっぱいあったんだが..残念だけど他のものにするよ』
『他のもの?』
トレイ『料理に使う、スパイスにしようかな』
マレウス『!?』
トレイ『リリアは時々料理をするんだろう?よく教室でシルバーたちに作っているって話していた』
ケイト『それいいかも!日常的に使う調味料なら、喜んでくれるんじゃないかな』
『ツノ太郎..大丈夫?』
マレウス『いや..まずいな』
リリアの"料理"を知っているマレウスの顔から、見るからに血の気が引いていくのが見え、は心配そうに袖を引く
悩ましげに顔を歪めるマレウスは、軽く頭を撫でてやると、話が盛り上がり始めるトレイたちに、待て、と話を打ち切らせる
トレイ『どうした、マレウス?』
マレウス『二人は、リリアの料理を食べたことはあるか?』
トレイ『食べたことはないな』
ケイト『オレも!マレウスくんは、勿論あるんでしょ?』
マレウス『ああ。リリアの料理は..言葉では言い表せない程独特な味なんだ』
トレイ『それは、つまり..美味しくないのか?』
マレウス『感想は差し控える』