第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
『ぇ..ぁ..』
スカリー『ジャック様と同じチームになれた時、我輩の気持ちを汲んで一緒に喜んでくれたり、泣いていた時は優しく拭ってくれた。理想が揺らぎそうになった時、"信じて考え続ければ大丈夫だ"、"その恐怖はなんとかなる"と言ってくれた。
攫われた時だって、犯人の我輩を本当の一人ぼっちにならないように呼び止めてくれた。言葉をかけられなくても、その笑顔を向けられただけでここが熱くなるし、泣いてると守ってやりたくなる』
『それは、そんなにすごいことじゃ..』
スカリー『すごいんだよ!お前のかけてくれる言葉は、どんな小さくても我輩に凄く響いてた。お前が側にいるだけで..見てくれるだけでとにかく嬉しかった。これが凄くない訳がないだろ!!
それくらい気づけよ!この鈍感!!』
『.....』
スカリー『はぁ、はぁ、はぁ..』
最後の叫びが丘の彼方へと響いていく。ものすごい剣幕で一気に捲し立てられ、思わずポカンと固まっていると、ハッと我に返ったスカリーは大声をあげてしまったことと、素の自分を再び晒してしまったことに青ざめると同時に冷や汗をダラダラとかき始めた
スカリー『ぁ..ぁ..も、申し訳、ございません..我輩としたことが、また紳士の振る舞いを忘れてお恥ずかしい姿を見せてしまいました..』
『...』
スカリー『(ど、どうしよう..何も喋ってくれない。ただでさえ大きな声は苦手だと言ってたのに、あんな勝手なことまで言ってしまった。
もしかしてこれ、完全に嫌われちゃった..?)』
何も言わないに謎の緊張感が走る。なんとかこの空気を変えようと、ワタワタ必死になって考える
すると、肩を掴んでいた手にの両手が重なり、見上げてくる愛らしい顔に泣きそうな雰囲気はなく少し照れくさそうにしていた
『ありがと、そこまで言ってくれて。私、自分に自信がないから、カボチャさんにそう言ってもらえて..思ってもらえて凄く嬉しい』
スカリー『〜〜〜っ..』
ふんわりと向けられた心からの笑顔を見た瞬間、僅かな草木しか生えていないモノクロの地に、愛らしい小さな花がいくつも咲いたような鮮やかな彩(いろ)がの周りに広がった