第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
スカリー『ユウさんとさんは、なにか楽器は嗜んでおられますか?』
ユウ『ん〜、弦楽器とかピアノはサッパリだけど、フルートとかラッパとか..そこらへんの吹く系の楽器には多少覚えありかな』
『私は、今の学校に来るまで何もしてなかったけど、最近アズさんとかリドルさんにピアノ習ってるよ。まだ全然下手だけど』
アズール『ご謙遜を。つい最近までど素人だったとは思えないほど、貴女の飲み込みの速さと才能には目を見張るものがありますよ。
ユウさん。貴方の演奏は一度聴いてみたいですね。素晴らしい才能でしたら、さんとまとめて僕が活用して差し上げますよ』
ユウ『全力でお断りしまーす。も危ないからそういう流れになったら、ちゃんと断ってね』
『んふふ、考えとく』
スカリー『ハロウィン・タウンの音楽ですか。きっと騒音とは程遠い切なく胸を震わすような旋律に違いありません。一体どんなに美しい楽器と音色なのでしょう』
期待に胸を膨らませ震えるスカリーの耳に複数の足音がこちらへと近づく。ジャックが素晴らしい演奏家だと賞賛する町の音楽家だった
大小様々な歪な人形のような風貌に、これまた歪で所々廃れた楽器を手に、音楽家たちは何事かとこちらの様子を心配そうに見ていた
『『『...』』』
グリム『全然美しくねえんだゾ』
イデア『想像を裏切らぬ出オチでしたな』
スカリー『想像とは異なりましたが..これはこれで恐ろしく、ハロウィンにふさわしい!』
アズール『なんですかあの楽器は..魚のアコーディオンに、中に頭の入ったチェロ..?』
ユウ『あれってちゃんと音鳴るんですかね?』
音楽家『む?俺たちの楽器が気になるのかい?』
音楽家『ちょっとしたもんさ。聴いてみてくれよ』
〜〜〜♪
〜〜〜♪
興味があるのかと思われたのか、音楽家たちは早速手にした楽器を構えると町中にその音色を響かせる
それはこの町を象徴するような物悲しく、聞くものの不安を煽るような旋律だった
グリム『なんか..すげー不安になってくる曲なんだゾ..』
スカリー『はい。とても恐ろしく、物悲しく、美しい..ハロウィン・タウンらしい素晴らしい曲でございますねえ』