第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
セベク『当然だろう。ハロウィンを知らないわけがあるまい』
スカリー『えっ!?知ってるの!?』
ユウ『(また素が垣間見えた..)』
セベク『な、なんだ突然大きな声を出して。ハロウィンを知らないやつなど僕たちの中にはいないぞ』
スカリー『それはそれは、大変素晴らしいことです!ならば話が早い。
何を隠そう、このジャック・スケリントン様こそハロウィンの王。我輩の大好きなハロウィンを作り上げた伝説のお方なのです』
ジャック『まあ、嘘ではないね。僕は恐怖の王であり、ハロウィンの王。パンプキンキング!知っていてくれて嬉しいよ』
憧れの人物からの言葉と洗礼されたお辞儀にスカリーはジンと熱いものがこみ上げ、胸に手を当てて歓喜に震えた
スカリー『ああ、ああ、そんな。勿体なきお言葉..!貴方様こそ、ハロウィンを作られた尊いお方。こうしてお目にかかれるとは夢のようです』
感謝を全身で表すようにジャック同様お辞儀を返すと、その2人の優雅さにヴィルは珍しく感嘆の声をもらした
ヴィル『2人ともすごく優雅なお辞儀ね..』
リドル『素晴らしい品位です。全くそれどころじゃないけれど..』
ハロウィンは知っているものの、それを作り上げたジャック・スケリントンという名に誰も聞き覚えはなく、博識のレオナやこの中の誰よりも長く生きているマレウスですらその存在を知らなかった
スカリー『..誠に残念なことではありますが、あなた方が知らないのも無理はありません。ジャック様の伝承は、ごく一部の地域にか伝わっていない話のようです』
セベク『ごく一部?』
スカリー『ええ。我輩の故郷の村です』
ジャミル『一部すぎるだろう!』
スカリー『我輩の故郷は、霧深い谷底にある小さな村..そこでは村人全員がハロウィンを愛し、ハロウィンを作ったジャック様を尊敬しております』
ジャック『僕のことを?』
スカリー『ええ!勿論我輩もです。ハロウィンとジャック様を、この世の何よりも愛しております。
しかし村の外に出てみたら..ジャック様の伝説を、ほとんどの人が知りませんでした。学校でいくらジャック様やハロウィンの話をしても、誰に受けいられず..』
『(なんか、大変だったみたい..)』