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《ヒロアカ短編集》角砂糖にくちびる

第1章 混じり合うそれに幾つかの◉白雲朧



「いつもありがとな!すっげェ嬉しい!」

俺もめぐのこと好きだぜ、
そう言って爽やかに笑った彼がくしゃりと私の頭を撫でる


ああ、今回も










「・・不発でした」

「HAHAHA!またオレの勝ちだな!」

「賭けになってねェだろ」

俺もお前も”不発”に賭けてたんだから、と相澤くんが呟いた


「で?朧はなんて?」

「いつもありがとな、って」

聞いた途端、涙を流して爆笑した山田くんを睨みつける
笑いすぎだよ!と机を叩くと下を向いた相澤くんも肩を震わせた

「ちゃんと言ったのかよ!?」

「言ったよ!ずっと前から好き、って」

「彼女になりたい、とかは?」

「言えない・・」

何かそれ図々しくない?と見上げると二人が顔を見合わせた

「何度も告白する方がよっぽど図々しい」

「言い方・・!」

毎回楽しんでいる山田くんと
興味無いなりに聞いてくれる相澤くんを前に
もはや恒例となった私の告白反省会


「いくら鈍感でも、ひどすぎる」

「振らないのもタチ悪ィよな!」

躱されてるのかなぁ、と溜息を吐くと
ニヤリと笑った山田くんが馴れ馴れしく私の肩を抱いた


「試してみるか?アイツが実際どう思ってるか」

「お前・・ろくでもないこと考えてるだろ」


「人聞きが悪いなァ、オレはただ
 めぐに協力してやるって言ってんの!」

そう言って山田くんが楽しそうに笑った












「おっ、めぐ!」

翌朝、当たり前のように私の頭に触れようとした彼の手を山田くんがパシッと掴む

「おぉっと朧サァン!
 今日からはお触り禁止で頼むぜ?」

めぐチャンは今日からオレの彼女、
気安く触らないでネ?と、サングラスをずらした山田くんがそのまま私を抱き寄せた

「ちょ、ちょっと!」

「合わせろ、本心知りたいんだろ?」
そう囁いて私の肩に手を回す

「だよな?」

「・・そ、そういう、ことです」





どんな反応するんだろう、なんて

彼が驚いて固まったのは一瞬、すぐにあの人懐っこい笑顔が弾けた

「そっかぁ!よかったな!」

めでたいなひざしィ!と廊下を進んでいく後ろ姿に私は思い切り項垂れる

「・・泣きそう」

「もう山田にしとけば」

「オレはいつでも大歓迎よ?」

にやにやと笑う二人を睨み、唇を噛んだ
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