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イケメン源氏伝 〜時を超えて〜

第9章 未来から来た女 頼朝side




『……?』

「変に取り繕うなよ
気持ち悪いからな」

『なっ、それを言うなら
いつもの頼朝様も気持ち悪いですよ!』

「何がだよ」

『いつも貼り付けたみたいな笑顔で…
なんか無理してる感じがして
…さっきみたいな笑顔でいればいいのに』

「………」

(俺が本気で笑ってないと
気づいてたのか)

本当に変わった女だ
未来にはこんな女がいるのか?

(いや、)

こんな女がそうそういてたまるかよ

『私はさっきの方が好きです』

「………そうかよ」

ふと頼朝の目に光が灯ったが
それは一瞬で消える

(好きなんて言葉今使うんじゃねぇよ)

変に取り繕わない
真っ直ぐな言葉は頼朝の心を揺らす

「で?どうする
ほんとに酒でも飲むか?」

『丁重にお断りします!』


ふんっと鼻を鳴らし
ずんずんと自分の部屋に進む

ふとピタリと足を止める

「?」

『……おやすみなさい
頼朝様』

「…あぁ」

(それだけを言うために?
やっぱり変なやつだな)



頼朝の口はほんのり弧を描いており
本人も気づくことは無かった


(明日もあいつで遊んでやろう)






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