第6章 側仕え
「ところで朝から
集まるとは幕府も忙しいものだな」
『そうだね』
玉藻は昨日の夜
頼朝様にあやかしについて
話を散々と聞かれたらしい
アイツは妖かなにかだろうかと
語っている玉藻の顔は人間らしかった
(それにしても
何をさせられるんだろう)
流石に今日から戦!
とはならないだろうから
それまでの間自分は何をすればいいのか
朝支度をしながら少し考えていたのだった
「ここが大広間か?」
『うん、昨日重衡さんが
案内してくれたから』
自分が使う部屋、頼朝の部屋
大広間などなど
昨日大まかな場所だけ
案内してもらったのだった
「入るぞ
心の準備はいいか?」
『ないけど…
待ってたら遅れそうだから
入ろう』
ガラリと開けた先には
頼朝の家臣…武士達がずらりと
並んで座っており
その目は観察するような
疑わしい目を向けていた
(当たり前だけど
視線が少し痛いな)
その先には
頼朝が座っていた
「ここに座りなさい」
と景時に促された座布団の上に
大人しく座ると頼朝が口を開いた