第5章 契約
『私も!
嘘は苦手ですけど
多分私みたいなごく普通の人間が
未来から来た狐憑きだとは
思われないと思いますが
バレないように頑張ります!!』
「それもそうですね」
「ていうか見抜いた人がいたなら
それはそれで凄いし
よっぽど怖いけどね」
『それなです』
『ふわぁぁ…
なんかもう疲れた…』
自分用の部屋に通された私は
すぐさま布団を敷いて
倒れ込んだ
『眠い………』
微睡んだ目をそっと閉じると
かすかに風がふわりとたち
耳元で囁かれた
「頑張れよ
もう運命は動き出した
後戻りは出来ねぇからな」
『──────っ!!』
ハッと目を開けると
その声の主はいない
『あいつだ……!』
障子の向こうに日差しが指していた