第4章 ちぎり
「じゃ、俺は京に帰らせて貰いますね
ことの顛末を報告しなきゃいけないので」
「あぁ、好きにしろ
何かあれば呼ぶ」
「ええ、いつでもどうぞ
さん、君もまたねー」
『は、はい、また』
ひらひらと手を振って
悠々と去っていった
「さて、俺達も御所に戻るか
と言いたいところだが
玉藻お前の姿は目立ちすぎるな
何とかしろ」
「何とかとは大雑把だな
まぁ、問題は無い
しばし待て」
パンっ
玉藻が光に包まれると
蜃気楼のようなものが浮かぶ
『あっ、耳としっぽが消えてる…!』
「器用なものですね
人間に化けて悪事を繰り返して
来ただけのことはありますね」
「まあまあそれなら
あやかしだってバレないね」
「あの、皆さんか突っ込まないから
俺が言うんですけど………」