第4章 ちぎり
「義経達にとってお前は脅威になる
どの道狙われることは避けられねぇ
だろうな」
(そんなぁ…)
「ふむ、まともにやり合っても
今の俺では勝算はないな」
「幕府の味方になるなら、当然、
義経や鞍馬を弱らせることにも
力を貸す」
(それって拒否権なくない!?)
いまいちアイツがこの鎌倉時代に
自分を送った理由も分かってない
住むところも頼れる人もいないので
ここは頼るしかない
それに
玉藻に傷ついて欲しくない
守りたいと思ったのは事実だ
それにどこに行っても
私がいたら迷惑がかかる……
『……分かりました』
「はぁ!?
分かったって……っ君ねぇ」
(言いたいことはすごくわかるんですけど
こっちにも事情があるんです!)
「いやぁ、勇敢な人もいたもんだなぁ」
(勇敢というかただのヘタレなんだけど…)
気のない拍手をした泰親は
頼朝に向き合った