第4章 ちぎり
聞きなれない言葉に疑問符を
浮かべていると
「那須野にあった毒を放つ
大岩だよ
そこにその狐は封印されてたんだ」
『封印?
運び出した理由は?』
「陰陽師に封印を解かせ、
化け狐を使役して働かせようと
したんだよ。
…まぁ、失敗したが」
それに怒る素振りもなく玉藻が
納得した
「なるほどな
俺を使役しようとは100万年早いが
人ならざる力を手に入れた
義経への対抗策と言うわけか
…義経が目の色を変えて壊しに来るのも
無理はない」
(ほんとに目の色変えていてるし
片方だけど…
というか混乱してきた
ええと………)
頼朝様は義経様を倒す手段に
玉藻を手に入れようとしたけど
それを阻止するために
義経様が殺生石を壊して
その際斬られた傷で何とか逃げて
今に至るってこと?
事情はわかったけど
アイツが私をこの時代に飛ばしたわけが
未だに分からない
すると複数の足音が聞こえた