第19章 陰陽師助手記録帳参
(わたし、)
(私は……義経様のことが知りたい)
あやかしから助けてくれた義経様
再開した時の殺気だった義経様
部下思いの義経様
野武士から助けてくれた義経様
子供には優しい顔をする義経様
込み上げる思いに、胸の内が熱くなる。
(っなんで、こんなに……)
胸に手を当てぎゅっと手を握る
「」
『あ………』
伸ばされた手が、私の頬に触れようとして…
「……すまない」
手を強く握りしめると、
踵を返し私に背を向けた。
(っ義経様………)
義経様の背中がどんどん小さくなっていく。
私はその場に立ち尽くし、
見送ることしかできなかった。